zanzibar 28. dec. 2002

 

7:00起床。昨日、この旅行の為にせっかく購入した、時計、アラーム、温度計付きの小型露出計があっけなく死んでしまい、目覚まし無しのナチュラルな目覚め。目覚ましが無いばかりか露出計も無いのでは、写真もカンで撮るはめに。なんという仕打ちでしょうか〜アッラー様〜。アミアミでスケスケのくせに入ると暑い蚊帳から抜け出し、取り敢えず朝飯を探すため迷路の街へ出る。昨日の夜、案の定迷子になり子供に案内された路をなるべく真直ぐに進む。暫く進み最初の角を曲ったところで、なにやら人集りが。コーヒー屋だ。盃よりもひと回り大きく把手のないカップに、鮮やかな職人的動作で香ばしい褐色のコーヒーが旨そうな湯気を立てながら器用に注がれている。黒い肌の白いイスラムファッションの人々が、この迷路の空間に妙に溶け込みまさに異文化コミュニケーションの現場ともいうべき光景。突如現われた朝の社交界に「ジャンボ!」の声と共に、華々しく華麗にデビューしたのだった。その辺に腰を掛けコービーをちびちびやる。微妙な緊張感が香ばしさを更に引き立てているような気がしないでもない、朝の一杯。更に並びのパン屋でナンと丸っこい揚げたやつを購入。そしてその先の店でコーラを買う。ビンは必ず返すようにと何度も繰り返す兄ちゃんに手を振りながら、迷路を来た通りに迷わないようホテルへ戻っていく。

9:00。昨日予約を入れておいたダイビングショシップへ。ここで、日本人と遭遇。おお〜同朋よ!しかし彼は日本から来たのではなく、ザンビアで青年協力隊としてコンピュータ関係の仕事をしているという。関西人の29才。今回は休暇を利用して、ダイビングのライセンスを取りに来たらしい。海へ出るまでの間、協力隊ならではのマラリア情報などで大いにビビらせてもらった。侮るべからず!恐るべしマラリア原虫と薬の副作用!ある意味究極の選択だよ、こりゃ。一匹の蚊で死ぬかも知れないが、それまでは元気な旅か、一先ず安心だが具合が悪くなるどころか失明さえあり得る予防薬の旅か。リアルでシビアな熱帯の旅の恐怖だな。

ジャボジャボと波に洗われながら、ポンコツ船に乗り込む。割りと風が強く波もそこそこある。下手すりゃゲロゲーロだな、と一瞬覚悟を決め、真ん前にズドンと浮かぶBAWE ISLANDを目指す。船の上には約10名。スタッフはアフリカン、客はヨーロピアン、トレビアンだ。黄色いサルはわしら二人。白人バカ女が荒波の中、アフリカンのスタッフにクーラーボックスの中の水を要求。適当に揺れてんだから静かに座ってろ、カスッ!どんな時でも権利だきゃあいっちょ前に要求しやがる。飲みたきゃ自分で行けよクソババァ!お前の命令で動くぼど、お前はイイ女じゃねぇ〜だろ!わき毛は剃れ!弛んだ水着も気色悪いぜ!屈み過ぎてうっかりクソ乳首でも覗かせた日にゃ〜即処刑だ!ヨーロピアン御用達のバカバカンスの島とは云え、いつまでもアタマん中、植民地主義じゃぁ、やっぱり絶望的なカス野郎でしかないな。お前のレベルじゃどうせ海の中で、うんざりする程の海水を飲む事になるのは目に見えてるぜ。その時まで水は我慢しろ!たっぷり飲めよクソババァ〜!おれは毒蝮三太夫じゃないからな、万人向けの愛は無いぞ!

「お前は今まで何本潜った?」アフリカンのガイドから訝し気に発せられた質問に、「120本くらいかなぁ〜」と答えると即座に笑顔&握手だ。「グレート、グレート!」を連発し褒め讃えてくれる。そんな大した数じゃないのに。それだけ、しょーもないカスダイバーが多いと云う事だろう。なめてると死が待ってるぜ。威張り腐って、遊ばせてもらってるなんて態度じゃあ、誰もお前らの命は保証出来ない。緊張感を持って自分から楽しむ態度じゃなきゃね。ポイントに到着し、我先にとエントリーして行く白人ダイバーを見届け、エメラルドグリーンのシャーベットのような海へ飛び込んだ!

期待に反し透明度は今一つだが、魚影は濃い。やたら透明だが生き物の気配の薄いグァムやサイパンなどのミクロネシアとは違い、生の気配に満ちた豊かな海だ。特別大型の魚は見なかったが、至るところ魚だらけ。モルジブ程では無いが、かなり楽しめる。見なれた種類の魚も、ここのはそれぞれ120%くらいデカイ。こんな肉厚なエンジェルフィッシュは、見た事ねぇ〜よ。ちょっと変だぞ、お前ら。

一本目を終え、船の上で昼飯だ。春巻きとサモサそれぞれ2個づつとパパイヤ&バナナのシンプルメニュー。春巻きが旨い。停まった船の上って酔いやすいんだよね。でも、今日は何故か平気。でもクソがしたいよぉ〜。ガイドの兄ちゃんにトイレットシュノーケリングへ行くぞ!と一言告げ、地球で一番でかい贅沢なトイレへ突撃だ。船から少し離れ、海パンを膝まで下ろす。フィンでバランスをとりながら、勢い良く噴射!そして素早くフィンキックでその場を後にする。普通に泳ぐと海面からかわいいケツが日の出のように顔を出す恐れがあるので要注意だ。船のみんなはただのシュノーケリングだと思ってるからね。噴射&キックを繰り返し綺麗な海においしいエサをまき散らすのだ。金魚の気持が分かった気がするぜ!しかし気持は金魚でも成りはジュゴンかタマちゃんか?

15:00、二本目も優雅に堪能し、ザンジバルへ向う。疲れたのか、ウトウトと船の揺れにシンクロするように眠気が襲ってきた。

17:00、またしても浅い昼寝に見切りを付け、夕方のフォロダニへ。ここは昨日の屋台エリア。ヒト、ヒト、ヒトでごった返す中、屋台を物色していると、「おにいさん、おにいさん」と、日本語で呼ぶ声が。怪しいのでしばらく無視を決め込んでいたが、しぶとい声に顔を向けると、さっきの青年協力隊が旨そうにタコをつまみながらおれを呼んでいるではないの。なぁ〜んだ、びっくりするじゃないの、もう〜。二人で屋台タイムだ。彼の皿が空きそうなので、おれもトリ、タコ、ナン、ポテト、サラダそしてムシカキという牛肉の串焼きで、テンコ盛りプレートを仕入れて来る。たくさん買ったのでムシカキを更にサービスしてくれた。全部食えるかなぁ〜。協力隊の彼は海そのものに餓えているらしく、ここでシーフード三昧出来るのがえらく幸せらしいのだ。ザンビアには海が無い、旨い魚も無い、だからザンジバルに来たのだと。しかも食べるだけでは飽き足らず、ダイビングもして、もう丸ごと海を抱き締めたいと。強い想いでココに来たのだそうだ。色々話しつつも、ビールが飲みたいと意見が鋭く一致し、少し先で海にわざとらしく突き出たツーリスト向けレストランへ行く事に。

ヨーロピアンツーリストでほぼ満席状態の広い店内だが、そのど真ん中で、なぜか忘れ去られたような空席がわしらを迎えてくれる。ドリンク無しで屋台の飯を食いまくりで、渇きまくりの喉にビールがうれしくはずみながら滑り込んで行く。二人揃って仲良く「クゥオッ〜!」と奇声を上げながら、わしらの夜は盛り上がって行くのだ。協力隊の目下の現状及び問題点そして現地での生活、マラリア、エイズ、アフリカ人気質、先進国が関わると云う事の是非、今日のダイビング、日本のダイビング業界に於ける欺瞞と傲慢&インチキとペテン、これからの旅プラン、その他モロモロ、久し振りのアルコール&日本語でしゃべれる快感に(しかも極上の関西弁だ!)酔いを深めて行くのだ。

適当に酔っぱらったものの、うるさい店を出て、静かな地元密着型飲み屋へ移動することに。しかしサタデーナイトの賑わいは世界共通なのか、昨日は静かで地味だったという飲み屋は、大音響の渦の中、地元の若い連中で盛り上がるクラブに大変身を遂げているでないの!わざわさタクシーで来た手前、引き返すのもアホらしい。まあ、成りゆきに身を任せ突入することに。入場はうぅ〜ん500shだったか5000shだったか酔っててよく憶えてないが、とにかく払って変なスロープを巨大キノコのようなのがそびえ建つビルの屋上へと上って行く。ビルの屋上のだだっ広いスペースのド真ん中に大きい変型プールがあり、その脇の一角のDJブースを中心にほぼ100%地元連中で盛り上がりまくっている。必要以上に腹に響く狂乱の低音攻撃にややダメージを受けつつもビールを手に端っこに陣取る。わしらのペースは崩さないのだ。今まで街で見て来たのとは明らかに違うオシャレ(ププッ、おしゃれだって!)な連中が浮かれて楽しそうに騒いでおる。でもさすが本場というべきなのかどうか分らんが黒人のリズム感恐るべし!料理の皿持ってうろうろしてる姉ちゃんでさえ、やたらサマになってる。ただケツ振ってるだけなのに、もうその歩きそのものにビートが宿ってる感じするもんね。さすが、血が違うよ、わしらとは。3軒目だというのに協力隊はまだ何か食ってる。さっきから食いっぱなしだ。黒人女のでかいケツの話から、協力隊の性生活の話になり、それはそのうちただのエロ話にと堕落し、酒とエロの奈落へと吸い込まれていくのだ。